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【SANGA(神々の戦い)】全18-14

14、「束の間の平安」

 SANGAの活動は個人的霊性の開発を目的とし、宗教とは大きく
異なり崇める対象は存在しない。あくまでも自分の内なるハイアーセルフ
(高次の自己)に触れる事を目的としていた。

フウキは東京の事務所にいた。

「ごめん下さい」

30歳前後の女性の訪問であった。 

「はい!いらっしゃいませ」フウキが応対に出た。 

「こちらの会のお話を聞きたくて伺いました」 

「はい、どうぞこちらに」フウキは笑顔で応えた。 

「私は菅野といいます。こちらは宗教と違い自分自身の本質に触れる
為の会と聞きました。 私はハイアーセルフに繋がりたいんです。 
その辺の事が聞きたくて来ました」

「ハイアーセルフには誰でも無意識で繋がってるんですよ。あなたは
そのハイアーセルフに繋がって、どうしたいとか具体的に何かありますか?」 
「はい?とりあえず繋がりたいんです」 

「そうですか。多くの方はそう言います。因みに貴女は今パソコンの
前にいると仮定して下さい」 

「・・・はい」

「そのパソコンは既にネットに繋がってます。なのに、貴女はその
パソコンがネットに繋がればいいのにと思って座ってるんです。 
ここまでの話しで何が足りないと思いますか?・・・」

「入力ですか?」 

「そうですよね!入力しないと応えてくれませんよね。では、貴女はどうですか?」

「入力してない・・・」 

「はい!ハイアーセルフは絶対におせっかいしません。貴女が聞いて
もいない事に応えるはずがありません。というか応えようがありません。
聞く聴かないは貴女次第とも云えます」

「私・・・次第ですか?」 

「はい。これは多くの人にも云える事なんですが。ただ漠然と聞こえない
と云ってるだけで、具体的に何が聞きたいのか?そこがポイントです。 
ネットだと聞きたい事や調べたい事にはキーボードを打ち込むのに、
こと、こういう世界では漠然としていて限られた人しか聞こえないと思い込む。

まるでとっておきのインスピレーションか何かが得られると思いがちですが、
そんなお節介はありません。こちら側が求めて初めて応えてくれるんです。

パソコンと同じでこちらが入力しないと応えてくれない。
但し!パソコンは答えを教えてくれるけど、この世界は答えを教えて
くれません。答えは自分で導き出すです」 

「では、聞く為のコツは?」 

「少しやってみましょうか? 深い深呼吸を3回して下さい。
次に自分の内面の肯定です。目を閉じて内面を見つめて下さい。途中の誘惑に耳を
傾けないで進んで下さい。頭を使わないで全身で感じて下さい。何か見えますか?」

「いいえ」 

「何か聞こえますか?」 

「お・か・え・り・な・さいって聞こえます。チョット待って下さい?」 

「聞き直さなくていいです。その声の発信元がハイアーセルフです」 

次の瞬間、彼女の目から涙が溢れていた。

「私は何年もハイアーセルフに話しかけて来ました。本当に本当に自分の
中にあったんですね・・・」 

「今度から沢山、聞きたい事をハイアーセルフに聴いて下さい。幾らでも
応えてくれますから。早い時は全部聞き終わらないうちに答えが返ってきますよ・・・」 

「どういう事ですか?」 

「繋がると云う事はそう言う事なんです。時間差が無いんです」

「時間差が無い?」 

「この世は時間差をもうけていますが、本来は時間という概念は無いんです。
 原因と結果が同時にあるという事です。質問と答えが同時にあるんです」 

「もうひとつ宜しいですか?」

「どうぞ」 

「悟りとは?」 

「自分に返る」

「自分に返る?ですか・・・今日はありがとうございました。貴重な
経験をさせてもらいました」 

「お役に立てましたか?」 

彼女が帰ってから話しを横で聞いていた摩耶はフウキに質問した。 

「フウキさん、彼女にいきなり突っ込んだ話ししましたけど、珍しいですね」 

「うん、彼女は魂が欲していたんだ。話の内容と云うよりも、この会の
波動を感じたかったんだ。潜在的な部分でね。彼女はもう熟した果実の
ようで何時弾けてもいい状態だった。 これからも今みたいタイプの訪問者が多くなるよ」

「フウキさんは今のような人が来たら一瞬で透視するんですか?」

「そうだよ。一瞬で、少なくても7通りの観点から視るよ。 
車に例えると、外観・足回りタイヤの色と質・エンジン性能・
それに付随するメカ・走りの能力・内装のデザイン質・どんなユーザーを
対象にしてるか、等々、車だけでもこれだけの見方が出来るんだ。 

人間を越えるとこの車のデザイナーやメカ設計者の性質・
どんな気持ちで設計したか等も視える。 

人間も一方向や二方向じゃ相談相手に失礼でしょ?
最低でも過去・現在・未来を視ないとその人の本質を語れないよ。
それが僕の立場でありSANGAの立場でもあるんだ」

「私、そこまで視てませんでした・・・」摩耶は下を向いた。 

「摩耶ちゃんは表現の仕方が僕と違うだけなんだ。現に久慈さんがそうだよ。
彼には言葉で表現出来ない摩耶ちゃんの一面が伝わった。
僕と摩耶ちゃんは方向性は一緒でも伝え方が違うだけ。

もっと言うなら、僕は摩耶ちゃんの様に詩と書だけで人間を感動させる
事は僕に出来ないよ・・・」

2人の前には摩耶が久慈に送った詩が飾ってあった。


 その頃、世界は戦争や経済のバランスが崩れる等、相変らずの
様相であった。久慈が死んでも世界の在り方は依然として何ら
変わる事なく運営されていた。

自然環境も「観測史上初」という言葉が当たり前のようにマスコミは
連日報道していた。

久慈の後継者に指名されたのは、韓国のキム・シャウンだった。
彼は武闘派でならした存在で別名「アジアのハリケーン」という
通り名が付いていた。 

キムから日本の裏社会に指令が出ていた。 

「SANGAの宮園を1ヶ月以内に抹殺せよ」との指令。

以前と違い、表に出て活動を始めたSANGAは知る人ぞ知る存在だった。 

彼らにとってフウキの行動パターンは手に取るように把握できた。 


 SANGAになにかを察知したフウキから招集がかけられた。

「皆さん、忙しいところ集まっていただきありがとうございました。 
今日は緊急の波動チューニングをします。これが最後になるので一気に
引揚げますから100%僕に任せて下さい」

シバが何かを察知して口を開いた。 

「フウキくん何があったの?緊迫した雰囲気がするんだけど?」 

「気のせいですよ、シバさん。今日は全員、同時に波動チューニング
するので事務所を閉鎖して円陣組んで座って下さい」 

事務所は閉鎖され窓は閉ざされ薄暗くし、円陣を組んで座った。 

「各自、サンガの守護者を意識して繋がって下さい。その守護者と
一体になったら、そのままサンガの宮で集会をします。 
創造の宮のアメンに僕が繋がるので全員、僕に集中して下さい」 

しばらくして7人全員がひとつになり、意識はアメンと繋がり次元を
越え全員がある一定方向に向けて上昇した。 

大いなる存在と初めて繋がった瞬間であった。

全員が宇宙の始まりと終わりを体験した。

サンガの宮で7日間を過ごし事務所に戻った。 

誰も声も出さないまま目を瞑っていた。

フウキが口火を切った「今日はこれで終わります」あっけない言葉だった。 

それから1時間あまり声を発する者もなく事務所には沈黙が続いた。 

フウキ以外の全員は初めて強烈な体験を味わっていたのだった。

外はいつの間にか夕闇に包まれて、6人は現実の世界に戻る事が苦痛にさえ思えた。

我に帰った時にはもうそこにフウキの姿は無かった。
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