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【HisaeとSizu】10-9

9.「夢」

 「何処なのよ・・ここは??」

HisaeはSizuと池袋で飲んで自宅に戻り、たしか・・・布団を敷いて
シャワーを浴び寝た・・・うん。昨日のことだからしっかり覚えている。

確かに寝た・・けど??ここ何処だ??

Hisaeはアイヌの代表的な楽器ムックリを囲炉裏のまえで演奏していた。

「なんで?」

その時後ろから「ヌック・・・朝からムックリを鳴らしてどうした?」

Hisaeは振り返り声の主に視線を向けた。

「誰??」髭の生えた濃い顔をした見知らぬ男。

この出立は・・・みかしてアイヌの人?

それに私の持っている紐の付いた楽器っぽいものは?

私の頭どうかした?オネェの髭で焼酎飲み過ぎか・・?

Hisaeは「あんた誰だ?」

その男が「なんだって???」

「イシリクラン(なんか変)」Hisaeが言った。

これってアイヌ語?・・・なんで私がアイヌ語出来るのよ?

「イペルスイ(腹がすいた)」男が言った。

「うるせ・・腹がすいたぐらいで、ぐだぐだ言うなっ。
こっちは何が何だかさっぱり解らねんだから・・・」

「エシアンテ(腹立つ)」と言い捨てて男は出て行った。

「何が腹立つだ・・・こっちがエシアンテだよ。あれ??私の頭やっぱ変だよ・・・」

その時Sizuのことが頭を過ぎった。

「Sizuはどうなった???」

次の瞬間ひとりの女が入ってきた。

「姉さん目が醒めたの?」

紛れもなくSizuの声だった。でも姿形は全く違う。

「あんたSizuなの?」恐る恐る聞いた。

「そうだよ、私はSizu」

「なんかおかしいと思わない?」Hisaeは目を丸くして言った。

「おかしくないの。ここは130年程前の北海道なの。場所でいうと太平洋側の静内」

「なんで静内に?しかもアイヌ?」

「これは私の夢の中なの。ただの夢じゃないのSizuと姉さんの前世」

「夢って事は解ったけど、なんで私があんたの夢の中にいるのよ?」

「Sizuねぇ、他人の夢と同調させること出来るの。同時に同じ
夢を二人で共有できるの」

「お前そんなこと出来るのかい?・・たまげたね・・・
でも面白いね。で、これはどっちの夢なの?」

「二人共通の夢、姉さんと前世で一緒だったから当時のこと思い出してるの」

「・・・解ったわよ。そういう事なら表に出て楽しもうよ。
それと、あの男は誰なの?」

「姉さんの旦那さんでセキという名前だよ」

「ふん~~。で、私は主婦なのかい・・・」

「フチというシャーマンよ」

「あんたは?」

「私もフチなんだけど病気とかのお払い専門のフチで祈祷師みたいなもの」

「私は?」

「姉さんは、神託とか妖精とアイヌの架け橋というか、通訳みたいなこと」

「へ~~面白い」

「それとラマッコロクルという長老の知恵者がここでは
絶対的存在なのね、だから逆らったりしないでね。

それと、倭人は北海道を我が物顔で歩いているけど逆らわないように。
私達アイヌはハッキリいって迫害を受けてるの人種差別」

「そっか、そういう時代か・・・・解ったよ、外を案内してよ」
Hisaeは複雑な気分で表に出た。


外は澄み切った空と海と川が一度に視界に入る所だった。

「Sizuここ凄い所ね・・・綺麗・・・」

「綺麗でしょ・・・これからこの地も文明が栄えて段々と
町が変わるの。本当に進化って呼べるのかどうか?」

「あっ・・・思い出した。さっき私の旦那らしき男が腹減ったって
言ってたけど・・・どうするの」

「大丈夫だよ、何処かに行って食べてるよ」

「何を食べてるの?」

「夏場はそこら中食べ物が豊富にあるの。蓄えは冬場のぶんだけ、
肉や魚を干したりするの」

「なんかそれって原始風で好いね」

それから二人は村を散策して歩いた。

「姉さん全然思い出せないの?」

「うん、断片的に、言葉だとか、音楽や服や家の造りなど良いなって感じるけど。
あんたのように詳しく思い出せない」

「そっか・・私はこの時代は楽しい事ばかりだったから結構鮮明に覚えてたのね」

「そういえば姉さんは、いつもラマッコロクルと言い争い
してたから・・・一度、村を追放されたことあったのよ」

「あんたそんなことまで覚えてるの?」

そこへ、向こうから長老ラマッコロクルが二人に向って歩いてきた。

Sizuが「噂をすれば何とかよ」

Hisaeは深々とお辞儀をした。

それを横でSizuが慌てて辞めさせた。

長老は一瞬怪訝な顔をしたがそのまま通り過ぎた。

「Sizuなんで折角の挨拶止めるの?」

「お姉さん、今の挨拶は倭人式なの。アイヌ式とは違うのね。
だから村長は変な顔してたの」

「なるほどね・・・めんどくせぇ・・・」といいながら道ばたの小石を蹴っていた。

Sizuはその仕草が面白いと笑っていた。

「Sizu・・・ところで、この夢いつ覚めるのよ?」

「もう帰りたいですか?」

「いや、帰らないで、みんなをからかって遊ばない?」

「姉さん、こっちの人達は純粋なんだから。それに姉さんのというか・・・
フチの言葉には影響力あるんだから・・・」

「はいはい」

Hisaeは思った「なんで私がSizuから注意を・・・???」

「姉さんこっちに来て」

「はいよ」

二人は小川の淵に来た。

Sizuがスズランの群生を指さした。

「おや、スズランかい・・・綺麗だね・・・」

Hisaeが近寄ると葉の陰に黒い影が隠れた。

「なに?・・・Sizu今、何か動いたけど??」

Sizuはその影に近寄って声をかけた。

「出ておいで・・・」

スズランの葉の陰から小さい人の形をした生きものが顔を出した。

ジッと見ていたHisaeは「あんた誰?」声をかけた。

「この人達はコロポックル族、妖精だよ」Sizuが応えた。

「妖精なの・・・ウソッ・・本当に妖精なの??可愛い・・・
こんにちは私ヌック。あなたは?」

「Pinoだよ・・・」

「Pinoちゃんよろしくね。Sizu、この子Pinoちゃんだって、
可愛いね・・・」

「Sizuは前からこの子らと知り合いで、妖精さん達の世話役なの」

「へ~~。他にも仲間いるんですか?」

Pinoはヌックの後方を指さした。

ヌックが振り返るとそこには10人ほどのコロボックルの集団が立っていた。

ヌックが「皆さんこんにいちは・・・」

その中の一人が「ヌックさん、こんにちはダニ。ここで何やってるダニ?」

「Sizuおもしろい・・・この子達ダニだって」

「姉さん・・・」ヌックはまた叱られた。

ヌックはその場に屈んで「Pinoさんはここで何をやってるダニ?」

「ノッキリ(花)から蜜を採ってるダニ」

「蜜は美味しいの?」

「美味しいから採ってるダニよ・・・」

「それもそうね・・・変なこと聞いてすいませんでした」

「ヌックさん、あなたおもしろいダニダニ」

それから二人と妖精達は太陽が真上に来るまで語り合っていた。


 Sizuが「姉さんそろそろ帰りましょう」

「えっ、もう帰るのかい?もっとコロポックル達と話そうよ・・・」


 次の瞬間Hisaeは自宅のベットの上で目が醒めた。

「????なに????夢???」

ベットから起き上がっり、Sizuの寝ている部屋に入り、いきなり
寝ているSizuを揺らし「おい、Sizu起きろ・・・」

「なに???あっ、姉さんおはようございます」

「お前さ、今、夢見てなかった??」

「姉さんとアイヌ部落で妖精達と遊ぶ夢見たけど」

「やっぱり、あの夢は本当だったんだ・・夢に妖精のPino出て来た?」

「Pinoちゃんや10人の仲間もいたよ」

「同じだ。あんた夢を操作できるのかい?」

「操作かどうか解らないけど、こういう夢視たいと思ったら。
なんかその夢が視えるけど」

「へ~~、そういうこと出来るんだ。今朝の夢みたいに二人同時に
同じ夢も視られるのかい?」

「姉さんと前世の何処かで一緒だったのかな?って思って寝たの。
同時に同じ夢を視たいとは思ってなかったけど・・・」

「そういうことか。あんたの能力は凄いよ。そしたらさ、あんたが
なんで今回は自閉症という表現方法で産まれてきたのか知りたいと思わない?」

「それ解らない・・・解りたいと思わないし・・・」」

「そっか・・・ごめんねSizu」

「はい」

「話し変えようね。Sizuはアイヌ以外に他の世界にも遊びに行くのかい?」

「たくさん行きました」

「何処か思いでに強く残る夢ある?」

「印度でヨガをやってました」

「それはどんな想い出があるの?」

「肉体の感覚を超越して光の世界に繫がる修行をヨガを通してやってよ」

「ヨガね・・・で、出来たの?」

「結構簡単にやってたよ」

「今のSizuは出来ないのかい?」

「必要ないからやってない・・・」

「なんで?」

「出来ても役に立たないもん」

「・・・なるほどね。しかしお前本当に変わったね。これからもその
感覚を磨いてね。頭は限界があるから感覚を研ぎすますのよ」

「はい、姉さんのおかげです」

「なんだい、そんなお世辞も使うようになったのかい」

「お世辞ではありません。Sizuの本心です」

「はい、ありがとう素直に受け取っておくよ」
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