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【HisaeとSizu】10-6

6.「Sizuと花子と覚醒」

 「花ちゃん久しぶり。この娘Sizu」

「私、花子初めまして」

「Sizuです・・・なのだ」

「なのださん、よろしく・・・」

花子にはSizuのことを話していた。

ホームレス花子とは吉祥寺のアーケード街で椅子とテーブルを置いて、
相談者のガイドとチャネリングやスピリチュアルなカウンセラーを
職業としているホームレス上がりの女性。

花子は横浜で大学卒業と同時にホームレスの中に入り、
次郎さんという老人に師事した。

その次郎が殺されたのを期に精神的に乱れてしまう。

そんなある時、突然悟りを開き突如ホームレスを辞め、吉祥寺の実家に
戻り、今は、サンロードで店を広げ相談者の話し相手をしている。

Hisaeとはエバの紹介で数年前から親交があり、年に何度か酒を
飲む間柄でもあった。

境涯の高さからエバやHisaeの相談相手にもなっている存在。
それがホームレス花子のだった。

吉祥寺の居酒屋Noroで焼き鳥を食べる約束になっていた。

「乾杯」

「Sizuこの花子姉さんは何でも答えてくれるから聞きたいことが
あったら聞きなよ」

「・・・・・ホームレスなの?」

「うん、昔、横浜でホームレスしてた」

「Sizuちゃんは?」

「Sizuは印刷屋さん・・・なのだ」

Hisaeが「電話で話したように小説では表現が普通なのにこうして
話すと断片的なのはどうして?」


 「元もと魂の段階つまりエーテル体では障害者はひとりも存在しない。
肉体がないから当たり前だけど。でもこの世での表現方法を障害者
というかたちで表現してる魂もあるの。こうしてSizuちゃんのように」

「なんで?」

「ひとつの表現方法よ、今世では、そういう表現の仕方を選んだのね。
こういう場合は、潜在意識に語りかけるの、他にも表現方法があることをね。
すると変わるよ。現にこの子は今小説という表現方法を選んだのよ。
だんだんとSizuちゃんは変わるよ・・・」

「そうなんだ・・・でも、他にもそういう子はいるけど、
なんでSizuちゃんは小説なの?」

「Sizuちゃんはチャネリング能力あるでしょ」

「うん、すごく強いよ」

「自分の頭で考えてないのよ。いわば、勝手に湧いてくるって表現した
方がはやいかな。キーボードから手を離したらすぐ戻るよ」

「確かに云えてる」

「Hisaeさん次第でだんだんと変わってくるよ。仕事上差し支え
ないのなら、そのまま雇用してみたら?

HisaeさんもSizuちゃんの能力に同調して、新たな自分を
発見できるよ、きっと・・・お互いの相乗効果にもなるから」

「なるほどね。さすが花ちゃん的確な意見ありがとう。Sizuちゃんあんた分ったの?」

「分った・・・なのだ」

「お前、キ-ボード持ってあるきなよ。普段とまったく違うんだから。もう・・・」

「違うのだ違うのだ・・・・違うのだ違うのだ」

「勝手にやってろ・・・」

花子が「他の才能も開花されると思うよ」

「Sizuに?」

「いや、二人に」

「二人?・・・」Hisaeの声が大きくなった。

「どういう事・・・」

「まだ分らない」

「ふ~~ん、期待して待ってるよ」

その時Sizuが「美味しいのだ・・・」

「なにが?」Hisaeが聞いた。

「餅ベーコンなのだ・・・」

「あっ、そう。あんたは幸せでいい」

こうして三人は楽しい時間を過ごし帰宅した。


翌朝「Sizuおはよう・・・もうキーボード叩いてるのかい?
ちゃんと寝たのかい?」

「・・・・・」

「無視かい・・・PCの前に座ると外界とはシャットアウトだものね、
その驚異的な集中力私も欲しいよまったく・・・」

さて、このままじゃぁHisaeらしくないから。

Sizuをどう導こうか・・・?

チャネリング小説か・・・

誰とチャネリング・・・

なにをチャネリング・・・

どれもベタだよね・・・・

突然なにかを書きたい衝動に駆られたのでとりあえずキーボードの上に手を置いた。

画面に「体外離脱」という文字を無意識で入力していた。

体外離脱?・・・そっか!!面白い。

Hisaeはリビングに向った。

「ねぇ、Sizuチョット手を止めてくれる」

集中しているSizuには聞こえてない。

「ねぇ、Sizu・・・お~~い・・・???

こら、Sizu手を止めろ、てめぇ・・・このやろう」

Sizuはやっと気が付いた「???・・・なのだ?」

Hisaeは肩を落とした。

「Sizuごめん・・・おはよう」

「おはようなのだ・・・はい、なんなのだ?」

「お前、正気に戻るまで長いよ・・・」

「????」

「まっ、いっか・・あのさ、Sizuは夢に入ること出来る」

「??・・・・??」

「寝てる時夢見るだろ」

「はい」

「その夢に入ること出来るのかい?」

「???」

「じゃぁ、夢を自分で作ること出来ますか?」

「うん、出来る・・・」

「今日のお昼ご飯を食べたら、私と一緒に昼寝しようね」

「??・・・なのだ??」

Hisaeは試してみたいもくろみがあった。


 軽い昼食を済ませた二人はアイマスクをして手を繋ぎ、シーター波
発生CDをかけて横になった。

「いいかい~~~これからゆ~~~っくりこの音楽を聴いて」

二人が横になって5分が過ぎた頃だった。

急に意識が頭から抜ける感覚がしたと思ったら次の瞬間広い空間があった。
視界のはるか先には高い山がそびえ立っていたが、どういう訳か距離感が
全く感じられない。

景色を眺めているといつの間にかHisaeの横にSizuが立っていた。

Sizuが話し始めた「姉さん、ここはSizuの意識の一部。
私の意識にようこそ」

「Sizuここは何処?」

「私の中にある世界の一部」

「一部と言うことは他にもある?」

Hisaeが質問した次の瞬間景色が変わった。

そこは宇宙空間で視界の先には月があって、その向こうには青い地球が浮かんでいた。

「月?」

「そう、月の裏側、後ろの青いあれが地球」

Hisaeは言葉を無くした。

次の瞬間場面が中世のヨーロッパのような雰囲気に変わった。視界の先には城が見えた。

「ここも、Sizuの一部?」

「はい」

次の瞬間、南米の密林で川の水を、木の皮の器に入れている人が現われた。

「ここもSizu?」

「そう」

次の瞬間、小さな庭で丸いテーブルを囲んで、お茶をしながら話している
三人の女性が視界に入った。その刹那Sizuとエバと私と実感した。

そして二人は現実に戻った。

「なんだこれは?」Hisaeが叫んだ。

横でSizuがにやけながらHisaeの顔を見ていた。

Sizu・・・まったく普通・・・なんで???

そうよね、数%の表面意識は自閉症のSizuだけど霊体は全く別よね。

なんで、わざわざ自閉症のSizuを演じてるの?

だんだん面白くなってきたよ。

小説書いてるよりリアル感があるからおもしろいよ。


それから事あるごとに二人は同時に体外離脱をして別世界を
楽しんでいた。だが、Hisaeには、あるもくろみがあった。

自閉症のSizuは表現方法のひとつ。本当のSizuというのは別。

自閉症の表現意外に本当のSizuがあることを教え込んでしまおうと考えた。
それから数ヶ月間ほとんど毎日のように二人は体外離脱を繰り返した。

「Sizu昼ご飯頼むよ」Hisaeが言った。

「任せて下さい。で、なに食べたいの?」

「う~~ん、Sizuはなんか食べたいのある?」

「モスバーガー食べたい」

「おっ、たまにジャンクもいいか。私は、チキンとモスとポテト頼むね」

「ハイ!」

そう、Sizuの会話にはあきらかに変化が現われていた。

Sizuの家族とHisaeは、変化に気付いていなかった。

その日の夕方「Sizu今日はオネェの髭行こうか?」

「わ~~うれしい。エバ姉さん久しぶりだ嬉しい」

あきらかにSizuは変化していた。

Hisaeが「まいど・・・」店のドアを開けた。

「いらっしゃ~~い、姉さん、Sizuちゃん。久しぶり~~。
元気してたの~~」エバだった

Sizuが「エバ姉さん久しぶりで~~す」

エバは唖然と立ちつくした。そしてHisaeの顔を見た。

Hisaeは何事も無いかのようにしていた。

エバは「・・・・・」なにか異次元を視たような気になった。

とりあえず平静を装いグラスに焼酎を注いでSizuとHisaeの前に置いた。

Hisaeが「乾杯」というと。

Sizuも「乾杯」

普通に何処にでもある当たり前の光景だが、Sizuを知るものは
天地がひっくり返るほど驚くことだった。

エバは立ったまま無言になっていた。

そして目から大粒の涙が溢れ大きな声を出して泣いてしまった。

Hisaeが「エバどうした?なにがあった?」声をかけた。

Sizuも「エバ姉さん、どうかしたの・・・?」

気を取り直してエバが二人に言った「Sizuどうしたの・・・?

あんた何があったの・・・?

姉さんSizuになにか魔法かけたの・・・?

私に分るようにいやこの店のみんなに分るように説明して・・・」

Sizuの事をよく知るオネェ3人も目を丸くして頷いた。

Hisaeはここで事の重大さに気が付いた。

「そうだ・・・私は毎日Sizuと一緒だから自然と当たり前に感じていた。
そうだよね・・・Sizuがちゃんと会話できてるよね・・・そうだ。
今・・・気付いた」

エバが「うんそれは分ったけど。どういう風にSizuが変わったって
いうか変えたの?」


 Hisaeが「たぶん体外離脱を毎日欠かさずやってるから、
Sizuの表面意識が変化したのかもしれないよ。

体外離脱してる時のSizuは全然健常者だから・・・
肉体がないから健常者という表現も不的確かも知れないけどね。

とにかく何ヶ月もやったよ。事あるごとにこの世での表現方法
変えたらってね・・・そんだけ」

「親御さんはなんて言ってるの」

「そういえばしばらく帰ってないな~~。Sizu、この店はお前家に
近いから今日は帰りなよ・・・」

「Sizu帰りたくない」

「いや、たまには帰りなさい。そうだ、私達1回出るよSizuを
自宅に送ってから私だけ出直す」

そう言って二人は店をあとにした。

二人が帰ったあと店はSizuとHisaeの話題で大変な騒ぎになっていた。


 「Sizu今日は帰ってゆっくりしな。お父さんお母さんに
お土産でも買ってくか。何が好きなんだい?」

「どら焼きが好きだよ」

「本当だ、受け答えがハッキリしてる。私もバカだね、毎日一緒なのに
気が付かなかったよ・・・」


 Sizuの家のチャイムを鳴らした。

「ハイ」

「私、Sizu」

「お帰り、待ってね」

母親が玄関を開けて出て来た。

そこにHisaeが立っていたので丁寧に二人は挨拶をした。

「Hisaeさんにはお世話になりっぱなしですみません」

「いえ、こちらも楽しくやっておりますので」

「中にお入り下さい。主人も買物に行ってるので、すぐ戻りますから。どうぞ中に・・・」

「はい、お邪魔いたします」リビングに通された。

そこに父親が帰宅した。

「やぁ、Hisaeさん来てたんですか?Sizuが世話になっております」

Sizuが「お父さんお母さん只今。今日は池袋のエバ姉さんの店で
飲んでたら。姉さんがSizuの家近いから帰りなさいって言ったの。
それでお土産にって、どら焼き好きだから1200円で買ってくれました」

父親と母親はエバ同様なにが起きたのか分らないでいた。
二人の知る我が子Sizuとは全然違っていた。

二人の心と感情と脳の意見がかみ合っていなかった。

それどころか空白というか虚無のような感覚だった。

場の空気を察知したHisaeが「説明させていただきますが
よろしいですか?」

その瞬間だった、母親が大きな声で泣き出した。その横で父親も顔を歪めていた。

母親が「チョット待って下さい。こ・・・心の整理がまだ・・・・」

HisaeはSizuの顔を見て言った「Sizuは大変なことをしたんだよ。
こんなに喜んでるよ。よかったね」

黙っていたSizuも大粒の涙を浮かべていた。

その情景を見たHisaeも涙が溢れていた。


 時間をおいてHisaeが今までの自分とSizuの経緯を分りやすく説明した。

父親が「まだ、心の整理が出来ていないので正直分りません。
ですが、今は、感謝しております。ありがとうございました・・・」


「Sizuあんた何日間か家に帰ってなさい。それからまたおいで」

そう言い残してHisaeはオネェの髭に戻ってきた。

店に入った瞬間、沢山の目がHisae一点に集中した。
従業員以外ほとんどがHisaeのしらない顔だった。

エバが「姉さんごめんなさい、姉さんの噂をしてたら話が聞きたいって。
つぎつぎこんなに集まっちゃったの」

「あっ、Sizuのことかい?」

「うん」

全員がミミをすまして固唾を呑んでいた。

「分ったは。でも、他言はしないで。私も今日気づいたばかりで、
私自身が動転してるの。まずはと・・・エバ、ビールをジョッキーでちょうだい」


 「何から話そうか?。Sizuのことは?」

エバが言った「それは説明済み。あとはどうやってSizuが変わったか?
ってことを知りたがってるの」

Hisaeはビールを飲みながら話した。

「簡単に説明すると、人の意識体って本当はみんな健康なのね、
だから障害者っていう概念が本当はないの。

この世に生を受けてから、たまにその意識体が歪な表現をする場合が
あるの、それが精神障害だったり身体障害だったりするの。
それ以外にも色々要因はあるけど一般的に大まかに。

私はそれを知ってたからSizuちゃんの意識に、違う表現方法も
あることを数ヶ月かけて教えたのよ。

そしたら徐々に変わってたのよ。私は毎日一緒だったから実感が
なかったのね。今日、エバに私的されて私も気が付いたの。

今、実家に行ったら両親は大泣きしてたの。私も思わず泣いてしまったわ。
部屋の空気が一変した瞬間って凄いよ。

その夜は終始Hisaeへの質疑応答で終わった。

「最後にこの事は他言しないでね。Sizuちゃんだからそうなったのか
分らないの。他に依頼があっても私責任もてないからくれぐれも他言し
ないで下さい。お願いします」
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