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【不思議な黒石-(Kenta)】全11-7

7、京子金星に出入り禁止

 禅か?いい経験したなあ!面白い!今度は近未来をのぞいてみたい。
ケンタは石を手に取り念じた。次の瞬間

あっ!この空気感覚えてる・・・ミツトモがいた世界だ。 

ケンタはミツトモを念じた。

その刹那「呼んだかい」右手後方から声がした。

「あっミツトモ・・呼んだりしてごめんね。それにしても早いね?」 

「時間がないからね」 

「じつは近未来を念じたら、ミツトモと会った世界に雰囲気がとても
よく似てたからミツトモを念じてみたんだ」

「ケンタもだいぶコツが掴めたようだね?経験積んだね。
世界はパラレル・リアリティーだからね」

「???」ケンタの目は宙を舞っていた。

「まっいっか・・そのうち解るよ」 

やっぱ、むかつく・・・

「で、どうしたの」

「そう、近未来を見たかったんだ」

「そっか、もうケンタは既に見終わってるよ」

「えっ僕そんな実感無いけど」 

「この世界とトミゾウのいた世界覚えてる?」 

「うん覚えてるけど・・・」 

「地球の近未来はそうなるのさ・・・但し、いち未来だけどね」

「今ひとつよく解らないけど?」

「つまり、地球が二方向に分離するんだよ」

「どうしてさ?」 

「そっか、これから言うことは今後大きなポイントになるからしっかり聴いてね。
そもそもこの地球というのは約一万三千年が一周期で(統一から分離・分離から統一)という具合に、
地球は過去七回それを繰り返した経緯がある。ムー・レムリアとか、アトランティス文明って
聞いたことない?」 

「あるけど空想の世界だとおもってた」

「空想ではない・・・現実なんだ」

「えっ?」

「そして今の世界は七回目の分離の時代が終わり又統一の世界に移行されるんだよ。
ケンタから見たらこの世界は近未来だからね」

「ひとつ質問していい?トミゾウさんのいたあのダークな世界はどういうこと?」
 
「残念だが近い将来分離するネガティブ世界に行こうする可能性がある。
彼らは自分であのダークな世界を選択したんだ。

今後はワクワクするポジティブな世界が近未来の統一された世界なんだ。 
そして、いままであった中間(グレ―ゾーン)も存在しなくなってしまう。

つまり誤魔化しが効かないということ。相手の気持ちが瞬間伝わるから、
かけひきや裏心はその世界では通用しないのさ。

今までの奪いあう世界から、今度は奉仕する調和のとれた世界が近未来の地球ってわけ・・・」

「・・・・・」 

ケンタはその話しが衝撃過ぎて発する言葉が無かった。当然、むかつく余裕もなかった。


 ケンタはその後しばらく落ち込んでしまった。

色んな事が脳裏をよぎっては消えそしてまたよぎる。  

今の地球は決して誇れる地球ではないけど、まんざら嫌いでもなかった・・・

そうだ!京子ちゃんに話してみようか?彼女なら話せる。例のごとく会社帰りに
ミルキーコーヒーでおちあった。 

ひととおり話し終え京子の顔色をうかがった。

「なんかワクワクするね」 

「えっ!」僕は声を失った。 

「なんで?もしかしたらこの世界が変わるかも知れない大変なことなんだよ?
京子ちゃんは何とも思わないの?」 

「だって、なったらなったでしょうがないよ」 

この女は神経が図太いのか?はたまた頭が六分しか働いてない?ケンタは思った。

「話し変わるけど、私ねえケンタくんに話してないことがあるんだよね」 

「なに?」

「石を借りたとき二~三日で返すと言ったのに結局一週間くらい借りたでしょ?」

「うん」 

「他にも見てきた世界があるのね」 

「どんな?」 

「それが太陽のそばの金星なの。そこで地球のこととかをレクチャーされたんだ。
だからさっきケンタくんの言ったこと私知ってたのね」

「金星熱くなかった?」 

京子は大笑いした。 

「なんで笑うの?」ケンタはむかついた。

「だって肉体じゃないから熱さは感じないし、金星なんて地球より整備されてて環境は抜群よ。

一度行ってみたら解るよ。金星も過去に地球と同じ状態だったらしいの。今の地球は産みの
苦しみだって言ってたわ。

だから金星人も出産するんですかって聞いてやったの。そしたらここは性別がないから出産はないって。 

私たちの未来も金星みたいに性別がなくなるっていう話しよ。

地球人はみんなオカマになるの?って聞いたら、オカマって何?
だって・・・!金星人はオカマも知らねんだ・・て言ってやったわよ。

だからオカマのことや、おなべのことしっかりと教えてやったわよ。地球に興味持ったかもね」

ケンタは頭を抱えてしまった。 

この女は金星人にオカマの講義をしたのかよ・・・

「あのさっ!京子ちゃんはもう金星に行かない方がいいと思うけど・・」 

「なんで?楽しいから又来てねって言ってたもん」

「金星人は、やさしいね」  

「なんで・・・?」

「そっか金星も今の地球と同じことが過去にあったんだ・・・」 

「うん、太陽系で地球が最後だって言ってた」 

「金星以外に他の星は行ったの?」

「行ったよ。月の裏側も。宇宙船の基地がたくさんあったよ」

「京子ちゃんてけっこう大胆だったんだね」

「なにがさ?」

「ところで、それ以外に行ってきたところあったら教えて」

「エジプトのピラミッド建造してるとこ見に行ったわよ。ケンタくん興味ない?」

「へえ!どうだったの?」 

「あれはアトランティス時代だったわ。現代では見たことない小さい
機械で光を当てると空気が歪み、次の瞬間あの大きい石が宙に浮くのよね。

ひとつひとつ重なっていくの。最後はツルツルした石で化粧するのね。
今と全然違うの、すごく綺麗だった!スフィンクスと地下で繋がってるのよ。

あの機械ほしいな。あれ一台あったら建築現場楽よね。私なら会社起ち
上げて、いっぱい仕事取るよ。ケンタくん部長か専務待遇でどう?」

「絶対いやだ!」

「一見の価値あるわよ。あれは凄いと思う。でもマクドナルドは当時さすがにないけど・・・ハハ」

この女は宇宙でも何処ででも、いつの時代でも生きていける。がっぺむかつくけど・・・
その後、京子ちゃの言うとおり僕は金星にとんだ。金星人が「京子の仲間か?」
と聞いてきたので「ハイ」と応えた。 

「京子の仲間なら金星からとっとと消えろ」と威圧された。 

「待って下さい。何かあったのですか?」当然聞いた。 

「あの京子という存在が来て、この星にカラオケという音楽の娯楽システムをレクチャー
していった。みんな朝から晩までカラオケばっかりで働かなくなった。

金星ではいま大問題。よって地球の存在、特に京子とその仲間は出入り禁止します」

僕は丁寧に「すみませんでした」とあやまり地球に戻った。

京子ちゃんが金星に出入り禁止をくらった???そんな、

筒井康隆や大槻ケンジでも小説に書かないよ!そんな題材・・・

でも実話なんだよね。

金星に出入り禁止をくらった女。

僕が小説書こうかな?
 

 ケンタはまた気分のすぐれない日が続いていた。

金星に出入り禁止をくらった女・・・か。地球の有史上そんな事件あったのかなあ・・・

助平な中年の父っつぁんがススキノのキャバクラに出入り禁止をくらった
のと少し訳がちがうよなあ~~ 金星だもんなあ。

今日も京子ちゃんバリバリ元気だろうなあ? 
 
嗚呼!ガンジにも会いたいな?

そう呟きながらケンタは家を出た。

今日は暑いな・・・もう初夏か・・・?
 
太陽がまぶしい季節。札幌はライラックの香りが街中いたるところする。 
アサガオも花弁を大きく開き家の庭に綺麗な色を添えている。

創成川沿いの散策路を歩いていると向こう方からニヤニヤ笑いながら
こっちに向かってくる二人組がいた。 

蛯子くんと晃平くんだ。

今は会いたくねぇ・・・と思ったが気付かれた。

蛯子が「おっケンタ久しぶり。元気だった?」 

「うん、可もなく不可もなくって感じ。そっちは?」 

晃平が笑顔で「蛯子さあ今ススキノのクラブconaというホストクラブでホストやってんだぜ!
狸小路を歩いていてスカウトされたらしいよ」 

蛯子がいきなり「いらっしゃいませ~~」 

ケンタは超がっぺむかついた。

なぜなら、あの店はケンタが面接に行って即決で断られた店だった。

ケンタが「で、晃平は?」

「派遣でスーパーのレジ打ってる」 

蛯子が「ケンタはサッシ屋で働いてるって京子ちゃんから聞いたけど」 

「そうアルバイトだけどね」

蛯子が「せっかく三人衆そろったからお茶しない?」

ロレックスの金無垢の時計をこれみよがしに腕まくりしながら僕に見せつけた。

僕は「ごめん。これから人に会うんだ。今日は時間無いから又にしよう」 

その場で二人と別れた。

「なにが三人衆だ!僕は認めない。それに僕の承諾無しに・・・
誰が勝手に決めたんだ!むかつく!」

ケンタはブツブツ呟きながら歩いた。 

二条市場あたりにさしかっかたところで又、前方から、ひと目で解る
容貌のあの人が歩いていた。
 
ガンジだった。 

「あれ!ガンジ久しぶり!会いたかったよ」 

「やあケンタか久しぶり」 

「ちょうど今日ガンジに会いたいと思ってたんだ。思いがかなった」 

「なにか僕に用事でもあった?これから帰るところなんだ。
僕に用があるなら僕の家にくる?」

「いいの?申し訳ないです。お言葉に甘えておじゃまします」

ガンジの家は二条市場の近くにあった。

「おじゃまします」

「コーヒー飲むかい?」

「はい・・でも、おかまいなく」 

「で、何か聴きたいことあった?」

ケンタは、ひととおり今までのことを話した。

「ケンタはいい体験したね。で、なにが聞きたい?」

「・・・・あれ?」

ケンタは思考が停止してしまった。

「ふふ・・・」 

ガンジは暖かい眼差しでケンタを見た。 

「君はその経験を僕に話したいだけなんだよ。ケンタいいかい・・
君の中で答えはもう出ているのさ。

君がした特異な経験を再経験しようとしているのさ。

君の中でね。その切っ掛けを僕が与えてくれると思いこんでる。

僕はその切っ掛けをを君に与えないよ。

何故なら、経験は経験であって経験でしかないからさ」 

ケンタは理解しようと聞き入った。 

「いいかい、経験してるってことは経験しているケンタがまだそこに
あるっていうことなんだ。つまり、君の自我がそこに改ざんしてるってこと。

その自我がある限り君は何度経験してもそれ以上にはなれない。
経験を越えた経験をしなくてはその答えは出てこない。

経験に囚われた経験教という宗教かなんかの信者になってしまうよ」
  
なおもガンジはつづける。

「いいかい、ケンタはこれからも色々な経験をするよね。でもそれに
いちいち囚われないことだ。そこで止まってしまうから。

また同じような経験を試行錯誤しながら経験しまくるんだ。

インドのヨガ行者か又はどこぞの修験者のように。

人間としての最終目的は経験じゃないんだよ。

解放なんだ!自分を含めて森羅万象全てからの解放」

「解放か・・・」ケンタは軽くうなずいた。

「ケンタにとって、それが今後は重要なポイントだからね」

ケンタは頷きながらコーヒーを口に含んだ。

「ガンジ、瞑想のしかた知ってたら教えてほしいけど」

「いいよ」

「まず大きく深呼吸を三回し、身体を楽にして座る。

落ち着くまで深い呼吸を何度も繰り返すんだ。そうすると瞑想に入りやすくなるんだ。

あとは、背筋を軽く伸ばし手は仏像のように組む。

目は閉じても半眼でもかまわない。

自分の内面を観る場合は目を閉じる。

現実と向き合う場合は半眼で座る。

呼吸法は、鼻から吸って口から息を吐く。

まず尾てい骨から頭頂に線を通す。

吸った息を一度止め尾てい骨にゆっくりと落とし又止める。

吐き出すときは背骨をゆっくり上に通って頭頂からゆっくりと宇宙へ吐き出すイメージで吐く。

そのうち虫の息のように静かになり心も落ち着く。

その時の頭の中は無念無想と禅僧はいうがどうでもいい。
身体が生きていると云うことは脳も生きているから頭はたえず何か思い浮かぶ。
それを払う努力するよりもほっておくことが大事。

あとは流れのままに。

苦痛に感じたら辞める。無理しない。

それと瞑想って座ることだけではない。

話しをしながら瞑想してる人もいるからね。

今、レクチャーしたのは瞑想の中の一形式なんだ。

自分好みの瞑想のしかたでかまわないよ。

自分の好みで・・・。

「あと石のことなんだけど」 

「石って?」 

例の石のことをケンタは説明した。

「君にとって石は多重世界や時空移動の手段と思ってるけど石に頼ら
なくても本当は自由に出来るんだ。

石がないと出来ないという君の思いこみさ。いいかい、水晶占いは水晶をとおして。

タロットはタロットを使い、手相占いも姓名判断もみんな同じ理屈。

勝手に思いこんでるだけさ。思いこみも否定はしないけどね。

つまり、それらに頼ってアカシックレコードにアクセスする手段なのさ。

依存さ!君にとってその石は同じ理屈さ。さっき云ったろう?
本当は石がなくてもできるって。

人間は自由な存在なんだ。

但し制限を取り払えばね。石もタロットも手相も同じさ。
制限を好む癖がそうさせてるんだ。

あの人達は道具を使わなくても本当は解るんだよ。
道具は道具。人間はそういうものを好むからね」  

「なるほど」うなずくケンタ。

「ガンジ、さっきアカシックレコードって言ったよね。それってなに?」 

「森羅万象の情報が詰まった別世界の図書館のこと。その膨大な
データーベースから情報を取ってくるのさ」

「どういう風に?」

「人の数だけ方法はある。みんないつでも勝手にアクセスしてるよ。
アクセスするのに決まりや制限はないからね」 

「認識ないけど・・・」

「夢や閃き、思いつきって経験ない?」

「それ普通にある」

「当然意識して繋がる人もいるし、タロットや手相で繋がる人もいるよ」

「そっか」 

「ノストラダムスも?」

「当然」

「彼は上手だった」

「なにが?」

「解釈のしかたがさ。人によって同じモノを視ても解釈が違うんだ」 

「・・・・」

「例えばエジプトのピラミットを観て三角形と解釈する人。
四角形と解釈する人。四角錐という立体的にとらえる人。
など全部違う解釈があるけどケンタはどう思う?」    

「・・・全部あってる」 

「そういうこと。でも三者は全部形が別々だよ?平面に観るか立体に観るか」

「解釈?」

「そう。だから解釈する側の問題にも関わってくるんだ。

同じタロットを観ても観る側の意識、経験、知識によってとらえ方が違う。 
同じものを観てもとらえ方が違うと表現も違う。

人気のある占い師とそうでない占い師との違いがそこにある。
プラス人格や話し方なども正確には加味されるけどね」

ケンタは胸のつかえが落ちた感じがした。

「なんでガンジは、そんなことまで解るの?なに聞いても即答だよね」

「悟れば解る」 

「悟るにはどうしたら悟れるの」 

「簡単さ!大きな声で俺は悟った~~と腹の底から声を張り上げてごらん」

「えっ!そんなことで悟れるの?」 

「ほら君はまたそんなわけないという制限をつけた」

「はっ!そうだよね・・・」 

「制限を取りたいけどどうしたら取れるの?」

ガンジはひとこと「悟れ」

「・・・・」

ケンタは、また何か胸につかえた気がした。

ガンジは笑いをこらえていた。

「あと、僕は君であり君は僕でもあるってどういう意味?」

「まだ説明するには早い」

「・・・」

「じゃあ時間の概念を教えて」

「この世界の時間軸はこの次元の固定観念なんだ。でも宇宙人の時間軸は
数倍早いんだこの世的に見たらね。

投稿ビデオなどでUFOが移動したと思った瞬間消えることがあるだろ?
あれは消えてるわけでなく移動の動きが早いから人間の視覚では早すぎて
捉えることが出来ないのさ。

ドラゴンボールのスーパーサイヤ人のように逆に彼らから観たら地球人は
スローモーションよりもっと遅く、まるで止まってるように見えてるよ。

もう君は勉強したと思うけど地球から時間軸がもうすぐ無くなるからね。

地球世界から宇宙世界への仲間入りさ。悟りという言葉も無くなるよ」 

「どうして?」 

「みんなが悟った世の中なら、それが当たり前になるだろう?
当たり前のことにあえて特別視はしない、だから悟りという言葉はない」

「なるほど」

この日ケンタは頭の中を整理する為、早めに帰宅し寝入った。
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