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【HisaeⅡ(ピリカ)】全14話-8

8,「ピリカと覚者花子」

 Hisaeは久々にリアルな夢を視て目が醒めた。

なんか不思議な夢だった・・・そうだ今度は夢を題材に書いてみようか。

その前にピリカをミミの子供達と会わせようか。


 店を辞めたピリカは授業のない時など暇をもてあましていた。

ホステスで稼いだお金は手つかずで百万円ほど。この際、本州旅行でも
行こうかな?

そうだ!その前に久しぶりに倶知安に帰省してモモやミミと
その子供達に会ってこようっと。


ここは倶知安の実家「モモ、ただいま~~」

「ピリカ姉ちゃん久しぶり~~話し相手がいなくて・・・
私、寂しかった~~」

モモは大きくしっぽを振っていた。

「話し相手?ミミいるでしょうが。ミミはどうしたの?」

「子供を私に預けて何時もどっか行ってるの。ピリカからもなんか
ミミに言ってよ~~」

「わかったよ。で、チビちゃん達は??」

「私の小屋の中で寝てるけど・・・もうすっかり大人だよ」

小屋を覗くと二匹の猫が重なって寝ていた。

「お~~い、ただいま~~生きてるかい?」

子猫のユメが「あ・・ピリカねぇちゃんだ・・・」

「はいユメちゃん、ただいま」

「おっ、ピリ・・・おかえり」

「はい、ミロただいま。っていうかおまえねぇ、ピリカって
最後までいいなさいね。なんでピリだけなの?まったく・・・」

「べ~~~・べ~~~」

「なにそれ・・お前はミミ似だね、その態度の悪さ」

ピリカは玄関を開け「お母さんただいま~」

「お帰りピリカ」

「ミロちゃんが私に向ってべ~~べ~~だって。あの態度の
悪さはミミゆずりね」

母親は大爆笑して言った「ミロはどこかミミに似てると思ったら
やっぱりねぇ・・フフフフ」

「久々に会ったっていうのに・・・モモもユメもちゃんと
お帰りって出迎えてくれたのよ。

でもミロは私をピリっていうの、ピリよ・・・私、誰にもピリなんて
中途半端に言われたことないよ。おまけに、
ピリカって言いなさいったら。べ~~・べ~~・・・・だって」

母親はしばらく笑っていた。

「ピリカお帰り~~~」

「おっ、ミミただいま・・あんた、しばらく見ない間に老けたね・・・
もうお婆ちゃんだね」

「ピリカ・・・あんたもね・・・」

「なに~~ミミ・・・こっちおいで。ミロのことで言いたいこともあるし」

「みゃ・・・べ~~」ミミは出て行った。

「やっぱりミロは母親似だ・・品が悪い」

「ところで、お父さんは今日帰り遅いの?」

「普通どおりだと思うけどなんかあった?」

「うん夏休み利用して旅に行こうかなって思って」

「そんなお金、何処にあるのよ?」

「ペットショップのアルバイト、たまに頼まれてやってたの。
で、少し貯まったからそれを使おうかなって思ってるっけど」

ピリカは母親に嘘を云ってしまった。

「自分のお金で行くんならかまわないんじゃない。ひとりで行くのかい?」

「うん、ひとりでゆっくりと東京・横浜・京都大阪・神戸なんて
どうかなって思ってるの・・・」

「夏に暑いところ行くなんて・・」

「学生のまとまった休みはやっぱり夏なのよ」

「お母さんは賛成よ。学生のうちにやりたいこと大いにやりなさいな」

そして、父親からも許可をもらった。

夕食後リビングにミミ親子が遊びに来た。

「ミミ、ニャン吉はこないの?」

「別れた・・・」即答だった。

「なんで?」

「他に好きな猫出来たから」

「お前もやるねぇ・・・で、ニャン吉は納得してるのかい?」

「しつこく追い回す」

「誰の?」

「ミミの」

「それはまだミミが好きだって事でしょ?」

「だって、ニャン太郎の方が良いもん」

「か~~、お前ねぇ子供もいるんだからもう落ち着いたらどう?」

「べ~~べ~~」ミミは罰悪そうに出かけた。

「なんだ、あいつは・・まったくもう。ユメとミロおいで
面白いことして遊ぼう」

「わ~~い。ピリカ大好き」

「よ~~し遊ぼうね・・・」

三人はじゃれ合った。

裏のベランダの方から猫の声がした。

「ユメとミロ、だれか鳴いてない?」

「お父さんだ!」ミロが言った。

「ユメ、ニャン吉に一緒に遊ぼうって言ってきなよ」

「でもお母さんが・・・」

「ミミがどうかしたの?」

「ニャン吉お父さんと会ったら駄目って・・・」

「なんで?ユメのお父さんでしょ。それに、
なんで会ってはいけないのよ?」

「ピリカねえちゃんからミミお母さんに言ってくれますか?」

「いいよ。ミロちゃんミミ呼んできてちょうだい」

「なんで私なの?」ミロは返答した。

「あんた、ニャン吉父さんに会いたくないの?」

「別に・・・」

「あっそう・・・でも、なんで?」

「母さんが過去を振り返るなって言った」

「なんか意味違うと思うけど・・・」ピリカが言った。

「ミロちゃん、大事な話するね・・・ミミ母さんの言うこと何でも真に
受けたら駄目だよ。わからない時はモモにも相談しなさい」

「だってお母さん、モモの話し聞かなくていいって・・・」

「そんなことありません」

「だってモモはしょせん鎖に繋がれた犬なんでしょ?」

「あんた、そんな言葉誰に教わったの・・・・?」

「お母さん言ってた・・・」

ピリカの頭は混乱してきた。


 そして一週間後、ピリカは東京渋谷にいた。

さすが東京・・すべてがが札幌とは桁違いね・・・

とりあえず事前にネットで予約した安いビジネスホテルに向った。

都内を数日かけ自由気ままに廻った。

ハンバーグショップで朝食を済ませ、下北沢から井の頭・吉祥寺に
行こうと計画した。

下北沢を見学してから井の頭公園駅で下車し、のんびり公園を歩いた。

そこには多くの鳥が飛び交っていた。

たまに鳥と会話してみたくなったピリカはそっとスズメの群れに話しかけた。

「スズメさん達、何やってるの?」

スズメの集団は突然、人間に話しかけられ警戒した。小鳥の中でもスズメは
非常に警戒心が強い。

その中の一羽が「あんた、動物と話し出来るの?」

「はい、出来ます。私はピリカです」

「私はピーです」

「この公園に住んでるの?」

「そう」

「良い公園だよね・・・」

「そうですか?わたし他の公園知りませんから」

「そっか・・・ここは大きい池があって最高よ」

「そうですか?」

「ところでここは鷹とかトンビはいないの?」

「いますよ。たくさん」

「やっぱりね・・私の住んでる北の街では、ミミズクという
大きいフクロウとか大ワシもいるの。ウサギや小動物なら捕まえて
飛んでいくんだよ」

「ここにも白鳥という大きな鳥がいる」

次の瞬間、スズメの集団は一斉に飛び立った。猫の気配を感じたからだった。

猫が「あんた誰?」と声をかけてきた。

「私はピリカ」

「あんたは花子の仲間?・・・」

「いえ、私は花子さんって人は知りません。北の方から遊びに来ました。
で、その花子さんって猫さんと話せるんですか?」

「僕はチョビ。花子さんもピリカさんみたいに話せます。」

ピリカは花子にどこか親近感をおぼえた。

「その人とどんな話しをしますか?」

「わかりません・・・ミャ・・・」

「じゃぁ、質問変えます。その花子さんは何処にいますか?」

「花子・・・ミャ・・・」

「もう一度いいます。花子さんは何処にいますか?」

「花子・・・そこに居るミャ」

「えっ?」

ピリカは後ろを振り返った。

そこにはピリカと似たような年格好の女性が笑顔で立っていた。

ピリカが声をかけた「こんにちは」

花子も笑顔で「こんにちは。お久しぶり」

「えっ?初めましてですけど・・・」

笑みを浮かべながら花子はもう一度言った「お久しぶり」

同じ返答にピリカはつぎの言葉が出てこなかった。

「そのうちわかります」

「はぁ・・?」ピリカは内心、面倒くさいのに会ってしまった・・・
とその時は思った。

「あなたは何処から来たの?」

「札幌ですけど」

「何しに?」

「関東ひとり旅です」

「そう、楽しんで下さい。じゃあ」立ち去ろうと背を向けた。

「あっ、あのう~~チョビちゃんが花子さんは猫と話が出来るって
言ってましたけど」

「ええ、あなたと同じよ」

「あっ、私は21歳です。花子さんはお幾つなんですか?」

「う~~ん、たぶん25か6だと思う。ごめんね私、
年齢に興味ないから・・・」

「花子さん、面白いですね・・・」

「そう?」

「この公園いいところですね。一緒に散歩しませんか?」

「いいけど」

花子のぼくとつとした返事だった。

「あなた、東京は何度も?」

「高校の修学旅行でディズニーランドに来ました。今回が三度目です」

「今回はただの観光?」

「はい。明日から横浜、鎌倉に行こうと思ってます」

「楽しい旅になるといいね」

二人が公園を歩いていると「ハナちゃん、こんにちわ」数人から
声を掛けられた。

「花子さん、有名人なんですね?」

「有名人というよりも変人・・と云う方が的確」

「花子さんおもしろい。お仕事、聞いてもいいですか?」

「駅の向こう側で、夜になったら椅子とテーブルを置いて座ってるの」

「座って何やってるんですか?」

「人と会話してるの。ピリカさんは?」

「私は大学三年生です。獣医学科です」

「今のあなたに最適な学科ね」

「花子さんはどんな話しをなさってるんですか?」

「夜になったら、そこの吉祥寺のサンロードというアーケードの下で、
色んな話しをしてお金を頂いてる」

「占い師みたいなのですか?」

「占いと言うよりもガイドとの通訳してる」

「えっ、わたしもガイドと話し出来ます」

「私はその相談者のガイドの通訳してるの」

「凄いですね。私は相手のガイドとは一度しか話したことありませんけど」

一瞬ピリカの脳裏にFさんとのやり取りが浮かんだ。

「意識の問題よ・・・」

「??つまりどういう事ですか?」

「私は人との会話を楽しむという意識でサンロードに座ってるの。
人と会話をすると言うことは相手と同調しようとする事。
つまりチャネリング。あなたは動物と同じ事してるよ」

「あっ、私が動物にしてることを人間にっていう事ですね」

「そう、人間だったり、ガイドだったり動物だったり・・そういうこと。
難しく考えないで。人間は自分に制限を付けるからそれ以上にはならないの」

「何で、そのことに気が付いたんですか?」

「私の場合は心身脱落を経験しその時にみえたの」

「みえた・・・?」

「そう、気が付いたということ」

「気が付いた・・・?なんに?」

「全てに」

「全て・・・?」

「気付きは人それぞれだから形や定義は無い」

ピリカはわかったような、わからないような不思議な感じがした。

その表情を見て花子は笑みを浮かべていた。

「今夜、食事でもしない?」

花子から誘うという行為は珍しいこと。

「吉祥寺駅のサンロードの前で六時にどう?」

「六時ですね。わかりました」

それからピリカは約束の時間まで吉祥寺近辺を散策した。

二人は花子の馴染みの居酒屋「とりあえずビール」の暖簾をくぐった。

「いらっしゃいませ~~!あっ、花さんいらっしゃい・・・」

「ここのモツ煮、美味しいよ」

「はい、私もモツ煮にします」

食べ始めてからピリカは考えていた沢山の質問を投げかけた。

全ての質問に対し花子は丁寧に答えた。

「なんで花子さんはそんなに詳しいのですか?」

「ある時、壁を越えたから」

「公園でも壁って言ってましたけど、どうやったら超えられますか?」

「人は本来壁なんて存在しない。壁を作ってるのは社会だったり自分なの。
まずその壁を素直に見つめてごらん全身全霊で・・・
その時見えてくるの壁の正体が。

人それぞれ、壁の色、形、味が違う。しかも人の数だけ違うの。
それを壊せばいいの。それだけの話し・・・

究極を言えば、壁を壊した時に気が付くの。本当は壁なんて存在しない
自分で勝手に作ってたって事に。イリュージョンよ」

「簡単に云いますね・・・」

「あなたにはね・・・」

「どういう意味ですか?」ピリカは首を傾げた。

「だって、目に見えない世界があるという認識は?」

「あっ・・・ハイあります」

「そう、完全に肯定してるでしょ。でも多くの人間は否定ないしは
視えても信用しないの。あなたの場合その壁を持たないけど。
他の人はその壁で本来存在する世界を視えなくしてる。

それ以外にも、自分を取り巻く環境や社会全体、家庭、他諸々ある。
人によってはその壁を、自分を守る盾にしてるの。

いい、本当は壁なんて存在しない。壁にみえるのは全てイリュージョン。
幻影・・・私はその事にある時気が付いたの。カモメを見ていて。

壁で苦しんでいる人にその壁が見える手伝いをしてるの。
最終的に壁を壊すのは本人次第なんだけど・・・」

「壁が見えるって?」

「壁を越えるにはそれがどんな壁かわからないよりわかった方が
超えやすいの。壁があることすらわかってない人も多い。
人によってはどんな壁か見えた瞬間その壁が消える人もいる」

「私の壁はなんですか?」ピリカは目を丸くして聞いた。

「なんだと思う?」花子は微笑んで言った。

「まだわからないです」

「まだ出て来てないのよ。壁が出て来た時自分で考えて・・・ここで」
花子はピリカの胸を指さした。

その後、花子と別れ渋谷のホテルに戻ったピリカは今日の事を振り返った。

東京って花子さんみたいな人、普通にいるのかな?

よどみなく言葉が出てくるよねどんな頭の構造してるのかな?

その時、ルーの意識が入ってきた「悟り」えっ、やっぱり
悟りってあるんだ・・・

今のピリカは悟りへの興味より花子の爽快さに心打たれた。

ピリカの質問に対し即答だった。考えるというより的確な答えが勝手に
湧き出るという感じだった。
しかもピリカにも理解できる内容と話し方で会話してくれた。

これって、ルーに近いものがある・・・

・・・悟りか・・・

 Hisaeは手を止めた。

今日はこの辺で・・・屁こいて寝ようっと。


END
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