スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【HisaeⅡ(ピリカ)】全14話-1

請負小説家Hisaeは思うところがあり、自分の為の小説を
執筆してみようと思いたった。

Hisaeの生れ故郷、北海道倶知安町を舞台にした小説を書くことにした。

題名はなんにしようか?・・・倶知安は・・・アイヌ語か・・・可愛い、美人は・・・
ピ・リ・カ・・・そうだピリカにしよう。響きがいいよし決定!

Hisaeは早速キーボードに手を乗せた。


1,「ピリカ」

 北海道は羊蹄山の麓、倶知安町でその娘は育った。
名前は立花美利河(タチバナ ピリカ)18歳。地元倶知安町の
高校に通うごく普通の女子高生。

ただし、これから話す主人公ピリカはチョット普通の女の子と違う感性の持ち主。


 「お母さん、行ってきまーす」

「ハイよっ、気をつけてね。走るんじゃないよ!」

「うん、わかってる・・・」ピリカは小走りに家を出た。

倶知安町の朝は4月でもコート無しでは通学できないくらい寒く、
道路端にはまだ残雪があり、その隙間からはふきのとうが顔を出していた。

残雪をかき分け顔を出すこの植物は北海道の春を告げる光景。

ピリカは、今日から高校三年生。担任も持ち上がりでクラス替えもなく
大好きな学友とも久しぶりに顔を合わせる。

どういうわけか学年変わりの初日がワクワクして大好きだった。

家の玄関を出て飼い犬のモモに声を掛けた。

「モモ・・今日から3年生なの、高校最後の学年なんだよ・・・
ねぇ、モモ聞いてる?」

「聞いてるよ・・・それより帰ったら散歩しようね」

「うん、わかった。今日は帰りが早いから待っててね」

「なに、ピリカ。あんた二人だけで散歩行くつもりなのかい?」
猫のミミが呟いた。

「わかった。三人で行こう。ミミごめんね・・・」

「いいよ、そんなに気にしてないから。それより早く学校へ行きな」
ミミは舌で足の毛づくろいをしながら呟いた。

「は~~~い、行ってきま~す」

隣の農家の山田さん夫婦はそんなピリカの様子を見ていて話をした。

「お父さん、またピリカちゃんったら犬のモモや猫のミミと
話してるよ・・・変な娘だね」

「う~~ん、もしかして本当に話してるのかもなぁ・・・
あの娘は少し変わってるもんな。それにモモとミミの表情を見てみろ。
ピリカちゃんの言葉に反応してるようにみえねえか・・・?」

「そう見えなくもないけど・・・んな、馬鹿な・・・」

そう、この物語の主人公ピリカは動物と会話をする能力の持ち主。 


 五月の大型連休のことだった。夜の七時頃立花家の
インターホンが鳴った。

「ごめん下さい」女性の声だった。

「は~~い、どちら様ですか?」母親の洋子が言った。

「隣の山田です夜分すいません・・・」

「はい、チョット待って下さい」なんだろう?

洋子は玄関ドアの施錠をはずし扉を開けた。

そこに、青ざめた顔した山田さんの奥さんが立っていた。

「夜分すいません。うちのユキ見ませんでしたか?」

「見てませんけど、ユキちゃんどうかなさいました?」

「はい、夕方畑で遊んでいたんですけど、まだ家に帰らなくて・・・」

「チョット待って下さい、ピリカに聞いてみますから」

洋子は二階に向って「ピリカ~~チョット降りてきて」

「ハ~~イ」

階段をおりてきたピリカは「あっ今晩は・・・」

瞬間ピリカは若奥さんの顔を視て、ただならぬ気配を感じ取った。

「あんたユキちゃん見なかったかい?夕方畑で遊んでいてそれっきり
家に帰ってないんだって」

「六時頃その辺で遊んでるの見かけたけど・・その後は解らない・・・」

「ピリカちゃんありがとうごめんね。警察に連絡してみる」

ピリカも外に出て犬のモモの前に立った。

「ねぇ、モモ・・隣のユキちゃん居なくなったの。モモ見なかった?」

「夕方ユキちゃんの気配はしてたけど・・・変わった感じしなかったよ、
わたしはそのまま寝たけど・・・ミミに聞いてみたら?」

「ありがとう、モモ。もしユキちゃんの気配感じたら
大きな声で吠えてね」

「あいよ・・・」

ピリカは両手を口に当て叫んだ「ミミ~!ミミ~!」

家の裏からミミの鳴く声がした。

「なに???どうかした???」

「ねえ、ミミ。隣のユキちゃん居なくなったの。あんた心当たりない?」

「さっき川の方に歩いて行ったけど・・・」

「誰かと一緒だった?」

「いや、一人で歌いながら歩いてたけど。どうかしたの?」

「家に帰ってないのよ・・・ごめん、ミミも探してくれないかな・・・」

「いいよ、モモも探そうよ」

「わかった。私ユキちゃんの臭い知ってるから臭いを辿るね」

「ありがとう。後で美味しいもの沢山あげるからね」

ピリカと犬のモモ・猫のミミは臭いと気配を頼りに川へ向った。

モモがミミに「あんた、そろそろキツネや狸が出てくる
時間だから気をつけなさいね」

ミミが「私になにかあったら護ってね・・・」

「あいよ」

ピリカ・モモ・ミミはいちもくさんで川の方へ向った。

「ユキちゃ~~~ん・ユキちゃ~~~ん」

40分ほど探した頃だった。突然、上の方から声がした。

「あんた、ピリカじゃないかい?」

ピリカは声のする方を見た。

そこにはフクロウの姿があった。

「フクロウさん久しぶりです。今、女の子探してるの
見かけませんでした?」

「その子かどうか解らないけど。あそこの青い屋根の小屋の辺りで
さっき女の子が遊んでたよ」

「フクロウさんありがとう!感謝します。今度、魚たくさん差し
入れします。わたしの部屋に遊びにきてね・・・」

三人は小屋の方に走り寄った。

モモが「ピリカ間違いない。ユキちゃんの臭いが強くなってきたよ。
あの小屋かも知れない。急ぎましょう」

ピリカは小屋のドアを強引に開け中に入った。

藁の上にユキちゃんが寝ていた。

「ユキちゃん、ユキちゃん返事して・・・大丈夫?ユキちゃん」

「あれ?ピリカねえちゃん・・・どうしたの?」

ユキちゃんは、何事もなく無事保護された。

翌日

「お父さん、今日の夕方までにフクロウさんにあげるニジマスを
尻別川で釣ってきて、私の部屋のベランダに置いておいて欲しいの。
それと、モモとミミにもご褒美をお願い」

「それは良いけど・・・ピリカ、お前はフクロウとも
知り合いなのかい?」

「フクロウさんとは昨年知り合ったの」

「鳥の知り合いとは珍しいね」

「鳥の世界観ってけっこう面白いの。特に渡り鳥は色んな国の
話しを話してくれて凄く面白いのよ。ほとんど自然環境の話しだけど」

「鳥も自然環境の話しするのかい?」

「渡り鳥は水鳥が多いからそういうことに敏感なのね」

「例えばどんな?」

「湖の水質がたった一年で変わってしまい、魚が激減していたとか。
水が減り地面が多くなって、湖の形が小さくなったって言ってたよ」

「そっか~なんか複雑な気持ちだね。人間を昔の人は万物の霊長だなんて
恥ずかしい話しだね。ピリカも渡り鳥からいいこと学習したね」

「お父さん万物の霊長ってどういう事?」

「うん、人間はこの地球上の生物の中で、最も能力があり、
優れている存在という意味なんだけど。その霊長様が自然破壊し、
挙げ句の果てに自分達の首を絞めるはめに・・
まったく情け無い話しだよ。人間のおごりだ・・・」

「変な話しだね」

「おいピリカ、ところで学校は行かないのかい?」

「しまった・・・・」

「気をつけて行くんだよ」

「お父さん、魚釣り忘れないでね・・・」

「あいよ」

そう、これが動物と意思の疎通が出来る女の子。

この物語の主人公ピリカ。

END
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。